【図解】付加価値の意味、重要性、計算方法、高め方をご説明します。

付加価値について、おはなしします

 

税理士の伴 洋太郎(ばん ようたろう)@ban_tax240です。

 

当記事では、決算書の数字を武器にするために必要な概念『付加価値』について

 

  • 意味
  • 重要性
  • 高めかた

 

を、なるべく噛み砕いて解説いたします。

 

企業の生産性を理解するために、とっても大事な概念です。

つね日頃意識できるように、ぜひともおさえておきましょう! 

付加価値とは

 

付け加えた価値 だから付加価値

 

詠んで時のごとく、なのですが。

付加価値とは、付け加えた価値のことです。

 

なんのこっちゃわかんないと思いますので、皆様に馴染みのあるもので例えてみました。

 

付加価値を、雪だるまに例えて考えてみる

 

付加価値

 

3人の少年たちが、協力して雪だるまをつくるとします。

 

1人目の少年が、雪を固めて核となる部分をつくり、他の少年に引き渡します。

2人目の少年は、受け継いだ核をコロコロ転がして、そこそこの大きさにします。

最後に力持ちな3人目が、雪玉を身長と同じぐらいにまで育てました。

 

雪だるまづくりというビジネスにおける『付加価値』とは、それぞれの少年が加えた雪の量のことをいいます。

 

付加価値

 

 

最終的に大きな雪玉を仕上げたのは、3人目の少年です。

ところがその雪玉は、ひとりでつくりあげたものではありません。

少年たちが提供した労働力によって、積み上げられていったものなのです。

 

付加価値を、西尾名物 三河一色うなぎで考えてみる

 

今度は、現実的な商取引を例に考えてみましょう。

題材は西尾名物、三河一色うなぎです。

 

付加価値

 

漁師は、捕まえたシラスウナギを養殖業者へおろします。

価格は1尾あたり500円としましょう。

 

養殖業者は仕入れたシラスウナギを飼育して、うなぎ屋へ出荷します。

価格は1尾あたり1,000円であるものとします。

 

うなぎ屋は仕入れたうなぎを蒲焼にして、顧客に提供しました。

価格は1尾あたり2,000円。

 

この流れを、雪だるま作りと同じ図解に当てはめると、次のとおりです。

 

付加価値

 

蒲焼を調理して2,000円を売り上げたのは、うなぎ屋です。

ところがその蒲焼は、うなぎ屋ひとりで作ったものではありません。

 

  • 漁師が漁という価値を提供し(その価値500円)
  • そこに養殖業者が生育という価値を上乗せし(その価値500円)
  • 最後にうなぎ屋が調理という価値で重ねがけして(その価値1,000円)
  • 消費者がその合計を2,000円で買った。

 

連携プレーにより成し得た2,000円なのです。

各自のプレーによって上乗せた分を『付加価値』といいます。

 

付加価値の特徴

 

他人が作った分は、他人のもの

 

誤解を恐れずにいうと、うなぎ屋で客が支払った2,000円は、うなぎ屋の売り上げではありません

 

付加価値

 

受け取った2,000円のうち、うなぎ屋の売り上げは調理によって上乗せした1,000円分だけ。

残りの1,000円は、他企業である漁師と養殖業者の努力がなければ稼げないものなのです。

 

これが、付加価値の特徴の一つです。

売上高のうち、自分自身の努力で稼いだ金額をあらわしてくれる機能が付加価値にはあります。

 

自社の付加価値は、自社へ参加してくれた人へ分配される

 

付加価値

 

企業とは、ヒトやモノやカネや、その他もろもろの集合体です。

多くの人が、いろいろなカタチで企業に参加しています。

 

付加価値

 

参加者各位は、それぞれの立場で、それぞれが提供すべきものを提供しています。

 

  • 株主や個人事業主など、オーナーは出資金を(コレを自己資本といいます)
  • 銀行は、貸付金を(コレを他人資本といいます)
  • 地主や家主は、土地や建物などの現物を(コレを実物資本といいます)
  • 国や地方自治体は、営業に必要な許認可や行政サービスを
  • 従業員は労働力を

 

これらの提供があってはじめて、企業は価値を産み出すこと(生産活動)ができるのです。

 

付加価値

 

参加者はボランティアではありませんから、当然ながら見返りを求めます。

 

  • オーナーは利益を
  • 銀行は利息を
  • 地主や家主は賃料を
  • 国や地方自治体は税金を
  • 従業員は賃金を

 

付加価値

 

参加者への見返りは、自分が生み出した付加価値の中から分配されます。

 

これが付加価値のもうひとつの特徴です。

参加者へ支払う見返りの『出どころ』としての機能が、付加価値にはあります。

 

付加価値が重要である理由

 

付加価値という概念が、なぜ重要であるか。

ここではそれを、食べ物の『パイ』にたとえて説明します。

 

パイのサイズはデカイほどいい

 

付加価値とは言うなれば、企業への参加者が共同で焼いたパイです。

 

付加価値

 

パイの大きさが変わらない以上、誰かがたくさん食べれば、その分他の参加者が食べられる量は少なくなります。

 

付加価値

 

大きさが変わらないならまだ良いです。

問題なのは、パイそのものが小さくなってしまった場合。

 

銀行へ支払う利息、地主・家主に支払う賃借料は、契約金額が決まっています。

パイが小さくなったからと言って食べる量を減らすことはできません。

 

従業員の給与は、雇用契約などにより最低限支払うべき金額は決まっているはずです。

適法に減らすこともできるのでしょうが、雇用の維持や勤労意欲に及ぼすマイナス効果は無視できません。

その一方で、定期昇給、賃上げ、賃金相場の上昇など、増えていく理由はたくさんあります。

 

そうなると、割を食うことになるのはオーナーと国です。

 

そこでオーナーや国は、いかに大きなパイを焼くかということに腐心しなければなりません

パイがでかくなれば、利益や税金として取り分を確保しつつ、従業員にもたくさん還元してあげられるからです。

 

現在、研究開発投資や設備投資にまつわる減税、補助金制度がいくつもあります。

それらも、企業にもっと大きなパイを焼いてもらうための、国による工夫のあらわれなのです。

 

自社の付加価値を計算する方法

 

付加価値の計算には、2つの方法があります。

 

付加価値

 

今回はそのうちオススメの方法である『加算法』をご紹介します。

 

 『減算法』をオススメしないのは、計算が面倒だからです。

 

加算法による計算方法

 

付加価値

 

加算法では、次のすべての合計額を付加価値の額として計算します。

  1. 地主家主へ支払う賃借料
  2. 銀行へ支払う金利
  3. 国や自治体へ支払う税金
  4. 従業員や役員へ支払う人件費
  5. 税金を支払った後の利益

 

決算書から数字を拾う際には、それぞれ次の金額を集計します。

 

付加価値

 

付加価値を高める方法

 

付加価値を高める方法としては、大きく2つの方法があります。

 

付加価値

 

より高く売る

 

付加価値

 

より正確に言うなれば、高くても買ってもらえるようにするということです。

 

手法としては

 

  • 売る相手を変える(事業者から一般消費者へ、等)
  • 売る場所を変える(地方から都会へ、世界へ、等)
  • 誰も売ってないものを売る(独自性・新規性のあるもの)
  • ブランドイメージを高める(指名買い、あなたから買いたいと言っていただく)
  • 顧客満足度を高める(アフターサービスの充実、特定のニーズに特化する、など)
  • 価値や品質を見える化する(写真、数値、事例、感想、認証、受賞、など)
  • 価値を生みやすい得意分野に集中する(苦手分野は異業種・外部専門家と連携して解決する)

 

といったことが考えられます。

 

下請けの鋳造メーカーが独自開発した高級調理器具などは、良い例でしょう。

 

 

考えるだけなら簡単なんですけどね(^_^;)

実践するのは簡単ではありません。

 

他企業分を自社に取り込む

 

付加価値

 

売値を変えずに付加価値を増やすという作戦です。

 

手法としては

 

  • 原材料の消費量を抑える
  • 適正価格で調達する
  • 内製化する

 

といったことが考えられます。

 

ただしこれららはいずれも、品質低下を招くリスクをはらんでいます

 

  • 原材料をケチったせいで
  • 安さにつられて質の低い原材料、外注先を使ったせいで
  • 不得意な分野に手を出したせいで

 

従来2,000円で売れていたものが、1,500円まで値下げしないと買ってもらえないという具合です。

 


付加価値

 

同じ理屈で、価値に見合わない値付け・安易な値引きというのも、付加価値を下げる要因となりえます

 

まとめ

 

付加価値という概念の意味、特徴、高め方についてお話しました。

 

まずは自社の決算書を何年分か用意して、付加価値を計算してみましょう。

そして、売上高に対する付加価値の割合や、従業員一人あたりの付加価値額の推移を追って見ることをオススメします!

 

急激に変動しているとか、下がる(上がる)一方であるならば、何らかの問題や成功法則があるはずです。

この記事を書いたひと

伴 洋太郎(ばん ようたろう)
伴 洋太郎(ばん ようたろう)税理士
BANZAI税理士事務所 代表税理士。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。1982年6月21日生まれ。個人事業主、フリーランス、小規模法人の税務が得意で、一般の方向けにやさしい解説記事を書けるのが強み。詳しいプロフィールはこちら。
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