税理士の伴@ban_tax240です
御社のお給料、締め日はいつですか?
月末締めだとしたら申し訳ない、今回の話はまったく無意味です。
給与締め日が月末ではない法人様。
オススメの節税策がございます。
1年は12ヶ月しか無いはずです。
なのに12.5ヶ月分の費用を計上できたなら、ステキじゃないですか?
今日はそういう話です。
なぜ0.5ヶ月余分に費用に出来るのか
前提として、次のような会社を想定してください。
- 4月始まり3月決算法人
- 給与の締め日が15日
- 給与の支払日は25日
4月1日に年度がスタートして、4月25日に1回目の給与支払いがあります。
以後毎月25日に2回目、3回目、と給与支払いをします。
ここまではオッケーですね?
つづいて11回目、12回目と支払ったところで、決算日が来ました。
12ヶ月だから給与も12回。
うん、普通だ。
ではないんです。
なんかちょっと違和感ありませんか!?
この図で違和感に気づいた方は鋭い!
気づかない方、ご説明します。
3月15日締めの給与は3月25日に支払われています。
12回目の給与として費用になりますね。
それでは、締め日の翌日である3月16日から3月31日の分はどうですか?
この期間も今年度ですが、費用は来年度の1回目になってしまっているではあ〜りませんか!
チャーリー浜もビックリです。
今年働いた分の給料なら、今年の費用にならないといけません。
そう感じませんか?
感じましょう。そのほうが節税になります。
仮に3月31日に退社した社員がいたら、半月分の給料は支払われますよね?
だって実際働いてるんだもん、3月16〜31日の半月間は。
0.5ヶ月分の給与については、未払いではあるけど確定しています。
そこで決算のときに、この0.5ヶ月分を費用に入れられるわけです。
未払い給与節税策のいいところ
追加の支出が無い
この節税策で何より優れているのが、追加の支出がないということです。
あくまで計算上の処理であって、実際に半月分を払う必要はありませんからね。
経費に出来る金額がデカイ
御社の従業員月給が平均30万円だとして、10名の従業員様がいらっしゃるとしましょう。
30×0.5×10=150万円の経費を生み出せるんです。
法人の利益にかかる税金の率がザックリ30%くらいですので
150×30%=45万円くらい税金が浮きます。
もっと給与のボリュームが大きければ、当然節税効果も大きくなります。
注意点
未払い給与節税策には、いくつか注意点がありますので解説します。
一回限りしか使えない
じつはこの節税策、毎年使えるような代物ではございません。
1回限りなんです。
がっかりしましたか?
ごめんやしておくれやしてごめんやっしゃー。
何でかわかりますか?
年度が変わって4月25日が訪れました。
この時支払われるのは1ヶ月目の給与…ではなくて、0.5ヶ月目の給与になってしまいます。
4月1〜15日分ですね。
そうすると、5月以降は1.5ヶ月、2.5ヶ月…11.5ヶ月となって、最後に0.5ヶ月を足して12ヶ月分です。
この節税策を使った翌年は、4月に0.5ヶ月しか計上できない分、最後に帳尻があってしまうんですねえ。
翌々年以降も同様です。
給与規定などで締め日を明らかにする
未払い給与節税策は、給与の締め日が明らかになっているからこそ使える手段です。
締め日後から決算日までの給与があると主張するために、給与規定などに締め日や支払日を定めておきましょう。
税務調査で指摘を受けたときの反論材料を用意しておく必要がありますからね。
役員報酬には使えない
従業員と会社は雇用契約の関係にあります。
役員と会社は委任契約の関係にあります。
何が言いたいかって?
それは、役員報酬には日割の概念が無いということです。
委任契約ってのはそういうもんです。
なので未払い給与節税策を行う場合、役員の給与分は省いたうえで計算しなければなりません。
まとめ
締め後給与を活用した節税策をご説明しました。
税理士に決算処理を頼んでいる場合、この節税策を使いたい旨を伝える必要があります。
すぐ出来る対策とは言え、事前に早めに伝えておくのが吉です。
この記事を書いたひと
- BANZAI税理士事務所 代表税理士。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。1982年6月21日生まれ。個人事業主、フリーランス、小規模法人の税務が得意で、一般の方向けにやさしい解説記事を書けるのが強み。詳しいプロフィールはこちら。
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