社内慶弔費は経費で落ちるうえに貰った方は税金かからず二度ウマい

「お祝いの気持ち」や「お悔やみの気持ち」も、節税に使えます。

 

従業員や役員への慶弔費は、2度美味い

税理士の伴@ban_tax240です。

慶弔費とは、日頃付き合いのある方に対して支払われる金品です。

次のような事情がある際に、お祝いやお悔やみの気持ちを表すために贈られます。

  • 結婚や出産などのお祝いごと(慶事)
  • 逝去や葬儀などのお悔やごと(弔事)

 

今回は、会社が従業員や役員へ支払う慶弔費を使った節税策をお伝えします。

 

払った方は経費で落とせて美味い

貰った方は税金がかからず美味い

 

一粒で2度美味しい節税策です。

 

貰った方の課税関係

 

原則は給与

従業員や役員の慶弔に際し、お金を包んでお渡ししている会社も多くあることでしょう。

実はその慶弔費、原則給与扱いなんです。

 

つまり、貰った方に税金がかかるということです。

 

使用者から役員又は使用人に対し雇用契約等に基づいて支給される結婚、出産等の祝金品は、給与等とする。

 

加えて役員に対して支払った場合には、経費として落とすことすらもできません。

臨時の役員給与は経費にならないというルールがあるためです。

 

給与課税は避けられます

給与課税は、行き過ぎた税金逃れを防ぐための原則的な取扱です。

社会通念上相当な金額であれば、給与扱いされません。

 

すなわち、貰った方は税金がかからないということです。

 

役員の臨時給与は経費にならない、という縛りも回避することができます。

 

ただし、その金額が支給を受ける者の地位等に照らし、社会通念上相当と認められるものについては、課税しなくて差し支えない。

 

社会通念上相当な金額って何なんだよ!

社会通念、国語辞典では次の通り掲載されているそうです。

 

しゃ かいつうねん 【社会通念】

社会一般に行われている考え方。 「 -に照らして判断する」

三省堂『大辞林 』(第三版)
 このように、そもそもの国語的な意味に立ち返って解釈することを、「文理解釈」といいます。
 
なるほど。
で、どうすりゃいいのさ?(´Д`)
 
税理士が実務上頭を悩ますのが、この「社会通念上相当」というフレーズです。
 
一概にいくらが妥当とは言えないから、イイ感じで決めてねっ!
って言われてるようなもんですもの。
投げっぱなしジャーマンもいいところです。
  
 
結局、「こんぐらいなら行けそうかな〜」というラインで手を打つこととなります。
過去税務調査で否認された事例や、専門書に載っている相場(あくまで著者の一意見)を頼りにしてですね。
 

ある書籍によれば、慶弔費については従業員なら10万以内、役員なら20万以内が妥当な線とのことです。

 

払った方の課税関係

元従業員や元役員でもオッケー

従業員や役員へ支払われる慶弔費のうち、一定の基準で支払われるものは福利厚生費として経費で落とせます。

経費で落とせるってことは、税金を安くする効果があるってことです。

 

ところでこの従業員や役員には、既に退職した人も含んでいいこととなっています。

 

次のようなものは交際費等に含まれないものとする。(中略)

 

従業員等(従業員等であった者を含む。)又はその親族等の慶弔、禍福に際し一定の基準に従って支給される金品に要する費用

 

本人だけじゃなくて、その家族分でもオッケー

従業員や役員だけでなく、その親族の慶事、弔事について支給した慶弔費でも、福利厚生費とすることが出来ます。

 

次のようなものは交際費等に含まれないものとする。(中略)

 

従業員等(従業員等であった者を含む。)又はその親族等の慶弔、禍福に際し一定の基準に従って支給される金品に要する費用

国税庁ホームページ 「福利厚生費と交際費等との区分」

一定の基準って何なんだよ!

またまた国語辞典における定義を確認しました。

いっ てい 【一定】

  1. 一つに決まっていて変わらないこと。また,決まっているもの。 「価格が-している」 「 -の分量」
  2. 同じ状態,一つの様式に決めること。また,決めたもの。 「 -の書式」 「間隔を-にする」
  3. ある程度。 「 -のレベルを保っている」 「 -評価できる」
三省堂『大辞林 』(第三版)
 

き じゅん 【基準】

物事を比較・判断するよりどころとなる一定の標準。 「採点の-」 「 -が甘い」 「 -を満たす」

タイトル
 
「社会通念」という言葉ほどは、釈然としない感じはありません。
 
 
ようするに、慶弔見舞金支給規程を作って恒常的に運用しておけ、ということです。
 
突発的に規定をつくったり、無くしたり、正当な理由なく改変したりしてはならないよ!と。
 
税務調査が来ることになってから慌ててバックデートして作成する。
なんてのは当然アウトです。 

まとめ

慶弔費を使った節税策をお伝えしました。

 

支給基準の決め方に曖昧さこそあります。

しかし一番大事なのは、規程が「有る」ということです。

 

規程なんて無いよって会社はホントに多いですからね。

有るという事実だけで税務調査官に与える印象は変わるからホント大事!

この記事を書いたひと

伴 洋太郎(ばん ようたろう)
伴 洋太郎(ばん ようたろう)税理士
BANZAI税理士事務所 代表税理士。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。1982年6月21日生まれ。個人事業主、フリーランス、小規模法人の税務が得意で、一般の方向けにやさしい解説記事を書けるのが強み。詳しいプロフィールはこちら。
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