【税理士解説】お中元・お歳暮の勘定科目、仕訳、消費税の取り扱い

税理士の伴 洋太郎(ばん ようたろう) @ban_tax240です。

お中元とかお歳暮とかって、会計ソフトになんて登録すればいいの?

そうお考えのかたへ向けた記事です。

当記事では、お中元やお歳暮を贈った際の経理処理について解説しています。

読んでいただくと、次のようなことが分かりますよ。

お中元、お歳暮の経理処理について
  • 勘定科目は「接待交際費」が基本
  • 「広告宣伝費」に該当するものもある
  • 消費税は10%、8%、非課税のケースにわかれる

勘定科目は「接待交際費」が基本

お中元やお歳暮などの贈答品は、接待交際費で処理します。

税金に関する法律のルールでは、つぎの3つの要件を満たすものを交際費として扱っているためです。

交際費の3要件
  1. 取引先、仕入先など事業に関係ある方に対して行う
  2. 接待、飲食などによるもてなし、慰安、贈答などで
  3. 親睦を深めて取引関係を円滑にすることを目的としている

なお贈答品を送るためにかかった配送料なども、贈答に伴ってかかった費用として接待交際費で処理します

宣伝目的のノベルティ品を贈った場合は「広告宣伝費」

お中元やお歳暮といった名目で贈るものであっても、宣伝目的のノベルティ品は「広告宣伝費」で処理します。

交際費に該当するものとは、次のような違いがあるためです。

交際費
  • 親睦を深めて取引関係を円滑にすることを目的としている
  • 高額になることもある
広告宣伝費
  • 自社名や商品・サービス名を周知することを目的としている
  • 比較的少額である

法律でも

カレンダーとかは交際費に含めないよ!

と、定められています。

カレンダー、手帳、扇子、うちわ、手拭いその他これらに類する物品を贈与するために通常要する費用

仕訳のしかた

現金で支払った場合、クレジットカードで支払った場合、個人事業主がプライベートなお金で支払った場合の仕訳を紹介します。

事業用の現金で支払った場合

【仕訳】
借方 金額 貸方 金額
接待交際費 30,000 現金 30,000

クレジットカードで支払った場合

カード支払い時とカード利用料引き落とし時に分けて仕訳します。

【仕訳】
借方 金額 貸方 金額
接待交際費 30,000 未払金 30,000
【仕訳】
借方 金額 貸方 金額
未払金 30,000 普通預金 30,000

個人事業主がプライベートな財布から支払った場合

【仕訳】
借方 金額 貸方 金額
接待交際費 30,000 事業主借 30,000

モノによって消費税の取り扱いが変わる

お中元やお歳暮は、その中身によって消費税の取り扱いが異なります。

通常どおり消費税がかかるものの他に、軽減税率の対象になるものや、非課税のものがあるためです。

軽減税率の対象になるもの

贈答したものが飲食料品である場合には、消費税は原則どおりの10%ではなく8%で経理します。

飲食料品は軽減税率の対象となる品目だからです。

非課税となるもの

贈答したものが商品券やビール券、観劇のアミューズメント施設のチケットなどである場合には、消費税は非課税とされます。

これらは「物品切手等」といって、消費税法で特別に非課税とされるものだからです。

まとめ

当記事では、お中元やお歳暮を贈った際の経理処理について解説しました。

お中元、お歳暮の経理処理について
  • 勘定科目は「接待交際費」が基本
  • 「広告宣伝費」に該当するものもある
  • 消費税は10%、8%、非課税のケースにわかれる

この記事を書いたひと

伴 洋太郎(ばん ようたろう)
伴 洋太郎(ばん ようたろう)税理士
BANZAI税理士事務所 代表税理士。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。1982年6月21日生まれ。個人事業主、フリーランス、小規模法人の税務が得意で、一般の方向けにやさしい解説記事を書けるのが強み。詳しいプロフィールはこちら。
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