税理士の伴@ban_tax240です。
年末調整や確定申告の際に、扶養親族として子供や配偶者を申告すると税金が安くなるということ。今まで税理士業界に関わってきた経験上、大半の方はご存知のことです。
一方で忘れがちなのが親。とくに同居ではなく、離れたところに住んでいる親です。
あなたが親の生活費を面倒見ている場合には、親も扶養に入れられますよ!これを忘れると税金の額が結構変わってしまいますので、ご注意あれ。
どれくらい安くなるか
給与所得者の平均と言われる年収400万円、未婚子無しの人を例にします。いかほど税金が安くなるでしょうか。
所得税と住民税の合計額でザックリ計算してみました。
なお、親の年齢や同居・別居の違いで税額も変わります。
どうでしょう?なかなかの金額じゃないですか?
特に一番金額の大きいパターン(同居・70歳以上)は、親でなければ適用できない「同居老親扶養控除」と言われるものです。
扶養についてのよくある勘違いや間違い
親を扶養に入れるということを思いつけないのは、「扶養親族」についての勘違いや間違いがあるからだと思うんです。
またその逆で、扶養に入れることが出来ない人を扶養親族として申告してしまっているケースも多々あります。
そこで、よくある勘違いや間違いを挙げてみました。
同居じゃなきゃいけないと思っている
同居していないと扶養親族には出来ないかというと、そんな事はありません。
同居でなくても、あなたの収入で養っていれば扶養親族です。
税理士や税務署はコレを「生計を一にする」という言葉で表現します。仕送りをしている場合などがその典型例。
「生計を一にする」とは、必ずしも同居を要件とするものではありません。例えば、勤務、修学、療養費等の都合上別居している場合であっても、余暇には起居を共にすることを常例としている場合や、常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われている場合には、「生計を一にする」ものとして取り扱われます。
同居じゃなきゃいけないというわけではなく、同居だったらよっぽどのことがない限り生計を一にしているね!ということです。
なお、親族が同一の家屋に起居している場合には、明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる場合を除き、「生計を一にする」ものとして取り扱われます。
子供や配偶者じゃないから扶養には入れないと思っている
「扶養」という言葉のイメージからは、自分の子供や配偶者を想像しがちですが、それでは範囲が狭すぎます。
正しくは「6親等内の血族及び3親等内の姻族」なのですが、コレを図式化したのが次のものです。
見たことあるやつは大体親族。そんな程度の理解で構いません。
そこそこ収入があるのに扶養に入れてしまった。
ある程度収入がある親族は、生計をともににてたとしても扶養にはなれません。
親の収入が年金だけの場合、年間の年金収入が108万円または158万円以下であれば扶養に入れられます。
事業専従者を扶養に入れてしまった
これは個人事業主にだけ関係がある話です。
あなたの事業に専念して働いている親族は扶養に入れることができないのです。そのかわりにといっちゃなんですが、別の特例制度があります。
青色専従者給与というもの支払って経費にできたり、白色専従者控除が受けられたりです。
まとめ
実家の親を扶養に入れて税金を安くする手段についてお話しました。
え?別居でも扶養に入れていいなんて知らなかったよ_| ̄|○…という方へ。過去5年分ならば今からでも税務署へ申告して税金を取り戻すことが出来ます。
税理士や税務署へ相談のうえ、チャレンジしてみてはいかがでしょう?
この記事を書いたひと
- BANZAI税理士事務所 代表税理士。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。1982年6月21日生まれ。個人事業主、フリーランス、小規模法人の税務が得意で、一般の方向けにやさしい解説記事を書けるのが強み。詳しいプロフィールはこちら。
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